はじめに
この記事について
6月から、業務委託でエンジニアリングマネジャー的なことをやり始めて、そういえばなし崩し的に現場に入っちゃったなーと反省したので、遅ればせながら決意表明というか、自分のミッションはこれ、というのを言語化しておこうと思います。
前提
業務委託で有期契約なので、基本的には自分のやっていることをだれかに(複数人にわけてもいい)バトンタッチすることが前提です。 また、当然業務委託なので、肩書(タイトル)があるわけではないんですが、業務内容的にエンジニアリングマネジャーのそれに該当するものがいくつかある、という点で、エンジニアリングマネジャーと自称します。
15年ほど前、情報システム部の部長やインフラチームのリーダーをやっていたこともあり、あるていどはマネジメントについての知識も経験もありますが、エンジニアリングマネジャーという肩書で仕事をしたことはなく、エンジニアリングマネジャーとはなにか、というのも最近読んだ本で知ったくらいの無知でした。とはいえ、マネジメント対象の中身は別に昔も今もあまり変わっておらず、しいていえば、個人面談に「1on1」という別の名前が付いて、フレームワーク的なものになったということくらいでしょうか。
そういうわけで、エンジニアリングマネジャーとしては新人ですが、ソフトウェアエンジニアのマネジャーとしての経験はあるので Lv.2 とします。
今回の契約期間内でレベルを1つ上げられればいいなと思っています。
ミッション
経営サイドと話し合い、ひとまず以下のミッションを設定しました。
これらの課題に対して、半年くらいを目処に、目に見える形で成果を出していきます。
1. 開発プロセスの改善
細かい話は省きますが、プロダクト開発のプロセスにおける課題の洗い出しから解決まで、より良いプロダクトをより速く生み出せるような方向に持っていきます。 ただし、私自身が課題発見や課題解決をするのではなく、基本的にはメンバーにやってもらいます。自分はその手伝いというか、それぞれのフェーズにおけるポイントを伝えて、どうやったら課題発見や課題解決がうまくできるか、というノウハウのみを伝えるつもりです。 最初に書いたように、自分がずっとこのチームの面倒を見ることはできないので、魚を与えるのではなく、釣り方を教える、方式で取り組みます。
優秀なメンバーが揃っている感触があるので、ちょっと背中を押してあげるだけでうまいこと進むんじゃないかっていう手応えを、現時点でも感じているので、半年後どうなっているかとても楽しみです。
2. 開発組織の文化づくり
これは経営陣とのミーティングでも伝えましたが、組織文化はなかなかトップダウンで変えていくのは難しいので、まずはプロセス改善から行い、プロセスごとにどのような行動がプロセスを良く保つのか、という観点を盛り込むことで、自然と文化が確立されていくことを狙います。なので、いまはひたすらガイドラインづくりをしています(もちろんこれもみんなに考えてもらっています)。
社会文化もそうでしょうが、構成員が「この考え方や行動が結果的に良いことをもたらす」と感じられれば、自然とそういう考え方になり、行動が変わっていくと考えています。一朝一夕には文化と呼べるレベルまで熟成しないとは思いますが、新しく人を採用するときの指針を作成したり、評価制度へ組み込んだりして、徐々に浸透していければいいと考えています。
3. 目標管理(MBO)の見直し
これがいちばん大きなミッションかもしれません。既存の評価制度や目標管理はありますが、まだまだ改善の余地があると関わる人全員が感じているようなので、やれることはたくさんありそうです。全員にとって100点満点とはいかないでしょうが、個人の成長が会社の成長につながるような、納得感の持てるものに育てていきたいです。
参考図書
この仕事を始めてからいくつか土台になりそうな本を読みました。メンバーにも読んでもらいたいので、以下にまとめておきます(「あ、あの本に書いてあったあれね!」みたいな共通の認識が生まれて、話がスムーズになるので)。
以下の本は以前に読んでいましたが、ことあるごとに読み返したい名著なのでついでに紹介しておきます。
おわりに
一昨年に職業エンジニアとしては引退した身ですが、一度は捨てたマネジャーの道に戻ってくるとはまったく思っていませんでした。いつも仕事を受けるときは課題を聞いてからそれに自分が貢献できるかどうかを判断して決めているので、今回はたまたまそれがエンジニアリングマネジメント的なものだっただけ、ということではあるんですが、年を取ったせいなのかもしれませんが、自然と取り組めている上に楽しいとすら感じているので、人間変わるもんだなぁというのが率直な感想です。
仰せつかったのは重要なミッションばかりですが、あまり気負いすぎず、メンバーを信じて、少しずつ良くしていければなと思います。
どのミッションにしても、対話が大事だと思っていて、どうしたいですか?というのを経営陣にもメンバーにもことあるごとに問いかけて、そこから解決策を探っていきたいです。
あわよくば、自分自身が頭を悩ますような難しい問題に直面したときに、メンバーの力を借りながら解決できたりすると、やった甲斐を感じるんだろうと思うので(まぁ、難題はないに越したことはないので、もし遭遇してしまったら、ということで)、いまからワクワクしています。